髪を
切った。
高校時代からの友人、侍大堂林に
その侍は家の近くまで余を送迎し、自らの住まいで髪を切り始めた。
髪を切っている時の彼は神経を研ぎ澄まし、一心不乱にはさみを動かす。そう150年前までこの日本にいたSAMURAIのように。
そして出来上がった型を見て悦に浸る下級武士野村左衛門佐。おそらく今までで一番変化をもたらしたのではなかろうか。
髪と言えば、女性のロングヘアには目がない。一日中ずっと見てられる。誰か隣で髪をなびかしてくれる女子(おなご)はおらぬか。
バスで前の席に長髪の女性が座った日にゃ、1日の疲れなどなかったかのようにその女性に全神経を集中させるのだ。
かく言うは私は人間二十四年、未経験なのである。おしまい